一昔前の日本では終身雇用制度を導入する会社が圧倒的に多く、ほとんどの人たちは、一度入社してしまえば、定年退職までその会社で勤め上げることができました。そのために、転職をしたり、独立をしたりする人は今ほど多くはなかったように思います。ところが、近年は欧米式の会社が増えてきて、そういった終身雇用制度を取らない会社も出てきました。特にIT業界などがその良い例です。

インターネットの普及

IT産業が盛んだった頃に入社した人たちが、さまざまなことにチャレンジし、IT業界を牽引してきました。その後、みなさんもご存知のように、インターネットの発達により、IT産業もかなり成長してきました。以前は「さぁ、これからいろいろと挑戦していくぞ!この業界を引っ張っていくぞ!」という気持ちで仕事をしてきた人も、ほとんどやり尽くしてしまったと感じたり、第一線での仕事に行き詰りを感じたり、あるいは体力的に以前のようにがんばりがきかなくなってしまったりする人も多いでしょう。

また、IT業界の場合は、その経験に見合うだけの管理職のポストは限られています。そのポストに就くことができる人は少ないので、誰もがそういった将来性を約束されているというわけではありません。また、そういう管理職に就くことは考えず、新人の育成などに従事したいという人も増えてきています。そういった流れで転職を考える人が増えてきているのです。そして、それはIT業界に限った話ではありません。多少その中身は違うかもしれませんが、どんな業界であっても、そういった将来の不安を抱えながら、このままで良いのだろうか、これから先自分はどうなるのだろうか?と思いながら仕事を続ける人も増えています。

未来の不安

 

終身雇用制度がなくなって現在、そのような不安によって、転職を考えることが多くなっています。このような個人的な不安だけではなく、入社した当時は、まだ時代の最先端を行くIT産業だったけれども、今ではそれが浸透し、ライバル会社も増え、それによって会社や業界そのものが飽和状態になり、それがさらに上記のような個人的な不安に拍車をかけて、転職を真面目に考えるようになるという構図も出てきているようです。